こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- 横流式沈殿池とは
- 覚えておくべき式
についてサクッと整理します!
横流式沈殿池とは
横流沈殿池は汚水処理技術の中でも、沈降分離に分類される装置になります。
横流式沈殿池は、排水に含まれる固形物を重力で沈降させて分離する沈殿池の一種で、固形物が下方に沈降していくのに対し、排水は横(水平)方向に流れます。
沈降させるだけのシンプルな仕組みであるため、水の乱れを最小にしたり、水の短絡を防ぐことがが重要になります。
また、一般に大きな水量を扱う下水処理場で用いられることが多いようです。
横流式沈殿池の問題で使う式
試験では毎年と言っていいほど、計算問題が出題されます。
分離効率の式は覚えておきたいですね。導出も理解していると、式を忘れてもその場で導くこともできます!
ηv | 分離効率 | Q | 粒子を含む水量 |
v | 水に含まれる粒子の沈降速度 | A | 表面積 |
v0 | 表面積負荷=Q/A | – | – |
この式を3stepで導出してみましょう。
Step1 分離効率ηvをh/h0で表す
まず、流入部から流入した排水は整流壁(破線)から種々の高さで沈殿池内に流入します。
このうち、沈降速度vの粒子が高さhで流入した時、流出部最下部で分離されるとすると、水面高さh0のうち、高さh以下で流入した粒子は分離されることになります。
よって、以下が成り立ちます。
Step2 分離効率ηvをv/v0で表す
次に、排水が流入してから排出されるまでの時間(滞留時間)t0を考えます。
沈降速度v0の粒子が高さh0から流入してt0で流出部最下部で分離されるとすると
また、hをv, t0を使って表すと
よって、(1)(2)(3)より以下が成り立ちます。
Step3 分離効率ηvをv/(Q/A)で表す
滞留時間t0は水量Qと沈殿池の容積A×h0から以下となります。
(2)(5)より
よって、(4)(6)より以下が導出されます。
参考
- 新・公害防止の技術と法規 汚水処理特論
- 水浄化フォーラム -処理技術と維持管理-
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