凝集沈殿装置

汚水処理特論

こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。

この記事では

  • 凝集沈殿装置とは
  • 水平流形凝集沈殿装置
  • 接触凝集沈殿装置

についてサクッと整理します!

凝集沈殿装置とは

凝集沈殿装置は凝集⇒沈殿の一連の処理を行う装置を指し、水平流形接触形に大別できます。

凝集分離とはコロイド粒子(粒子径0.001~1μm)を凝集し、沈殿させることで懸濁物を分離する技術になります。
大きさが10μm程度の粒子なら自然と沈殿されて分離することもできますが、コロイドになると、水中に分散しており、沈殿しにくくなっています。
そこで、凝集剤を用いて粒子同士を凝集させ、粗大粒子(フロック)とした後、沈殿させて分離する必要があります。

ラボ実験ですが、凝集⇒沈殿の様子がわかりやすい動画がありました。
凝集剤を入れると、粗大粒子ができ、沈殿していく様子がわかります。

凝集沈殿剤「K-300」での凝集実験

水平流形凝集沈殿装置

構成

水平流形凝集分離装置の概略図

フラッシュミキサーフロキュレーター沈殿池の3つのパートから構成されます。

  • フラッシュミキサー
    凝集剤と混合させるため、急速攪拌(1-5分)する。
  • フロキュレーター
    フロックを成長させるため、緩速攪拌(30分-1時間)
    ・フロックの破壊を避けるため、段階的に攪拌強度は下げる
    粒子濃度が低く、水温低いときは攪拌時間を長くとる必要がある。
  • 沈殿池
    フロックと排水を分離

特徴

  • 上水道の浄水場で用いられている
  • 設置面積を広くとる必要がある
  • 原水の温度変化が大きい場合は接触形より安全

接触凝集沈殿装置(高速凝縮沈殿装置)

構成

図はスラリー循環型接触凝集沈殿装置の概略図です。1~4の流れで分離されます。

  1. 原水が第一攪拌室に流入し、既存のフロックと凝集剤と混合される。
  2. スラリーは攪拌羽根によって、混合された後、攪拌された流れにより第二攪拌室に流入する。
  3. 第二攪拌室からスラリープールに流出すると、フロックと水が自然に分離される。
  4. 水は上部から流出し、フロックは第一攪拌室に循環される。ただし、次第にフロックの濃度が高くなり、粒子濃度が大きくなるのは好ましくないため、適度な濃度を保てるようにコンセントレーターからフロックを沈殿濃縮し、排出できるようになっている

3の水とフロックが自然に分離されるイメージの参考になりそうな動画がありました。
おそらくこのように分離されていると想像できます。

排水処理装置:高速凝集沈殿装置 セディマックス®SP型

特徴

  • 既成フロックを懸濁させておくことで凝集速度を上げて、フロック形成に要する時間を短縮している。
  • スラリー循環型、スラリーブランケット形、複合形の3つに分類できる。
  • 接触凝集沈殿装置はいずれも設置面積当たりの処理水量が水平流形より大きいので高速凝縮沈殿装置とも呼ばれる。
  • 原水の温度変動が大きいと装置内で対流が起こり、スラリーが流出する恐れがあるので注意が必要。

参考

  1. 新・公害防止の技術と法規 汚水処理特論
  2. 水道機工株式会社 スラリー循環型高速沈殿装置

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