こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- 置換法とは
- 処理できる物質
について公害防止管理者試験で問われやすい部分を中心にサクッと整理します!
置換法とは
概要
置換法とは
キレート剤で封鎖されている重金属を他の金属で置換し、
置換された金属を水酸化物として沈殿させる方法
になります。
重合金属を含む排水はキレート剤や分散剤を含むことが多いです。
キレート剤は重金属イオンと結合し、安定的なキレート(錯体)となることで、処理を困難にします。
水酸化物法のような単純な方法では重金属を処理できなくなります。
そこで、置換法が適用されます。
キレート剤で封鎖されている重金属を他の元素と置換し、処理しやすい(水酸化物法で処理できる)状態にします。
キレート剤の種類
排水に含まれる代表的なキレート剤です。
ちなみに「キレート」とはギリシャ語で「カニのはさみ」を意味するそうです。
りん酸塩やけい酸塩はキレート剤ではないですが、沈殿を妨害する作用があります。
分類 | 物質例 | 特徴 | |||||
オキシカルボン酸錯体 | くえん酸、酒石酸、 グルコン酸 |
大部分の重金属と錯体を形成 | |||||
カルボン酸錯体 | 酢酸、しゅう酸、 マロン酸 |
比較的不安定な錯体。消石灰中和、若しくはカルシウム塩とカセイソーダを併用する中和で水酸化物が沈殿する。 | |||||
アミノポリカルボン酸 錯体 |
EDTA、 ニトリロ三酢酸 |
ほぼすべての重金属と安定した錯体を形成する。ニッケル、クロムは特に安定。 | |||||
エタノールアミン錯体 | モノ、ジ、トリ エタノールアミン |
鉛、銅、鉄などと比較的安定な錯体を形成する。 | |||||
アンミン錯体 | アンモニア、 エチレンジアミン |
濃度が高い場合は安定した錯体を形成する。 | |||||
分散作用を有する化合物 | りん酸塩、炭酸塩、 けい酸塩 |
キレート剤ではないが、沈殿を妨害する作用あり。 |
メカニズム
置換法にはMg塩法とFe+Ca塩法の2つがあります。
適用例は汎用薬品を使用するFe+Ca塩法の方が多いです。
- Mg塩法
- X・M(キレートを形成した重金属)にマグネシウム塩 Mg2+を添加
- MgとMが置換され、補足されていた重金属が金属イオンM2+になる
- NaOHやCa(OH)2のアルカリを添加し、水酸化物として処理する(水酸化物法)
- Fe+Ca塩法
- X・M(キレートを形成した重金属)に鉄(Ⅱ)塩 Fe2+を添加
- FeとMが置換され、補足されていた重金属が金属イオンM2+になる
- Ca(OH)2やCaCl2+NaOHを添加し、FeをCaと置換すると同時に、MとFeを水酸化物として処理する(水酸化物法)
処理できる物質
処理できる物質として、公害防止管理者の試験範囲で取り上げられている物質を以下に挙げています。
試験でもよく問われるので覚えておきたいですね。
- 鉛
参考
- 新・公害防止の技術と法規 水質有害物質特論
- Wilipedia キレート
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