共沈法

水質有害物質特論

こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。

この記事では

  • 共沈法とは
  • 処理できる物質

について公害防止管理者試験で問われやすい部分を中心にサクッと整理します!

共沈法とは

概要

共沈法とは

共存重金属の存在下では理論溶解度より1~2低いpHで沈殿することを利用し、
低濃度まで重金属を処理する方法

になります。

例えばカドミウムは単独の溶液よりも、亜鉛共存した場合の方がpHが1~2程度低いところで沈殿します。

共沈剤としては一般的に塩化鉄(Ⅲ)が使用されますが、適用pHが中性であればアルミニウム塩アルカリ性であれば鉄(Ⅱ)塩も使用されます。

メカニズム

共沈法のメカニズムはいくつかの反応機構から説明されます

  • 吸蔵(包含)
    ある物質が他の物質をそれ自身の内部に包み込む現象で、対象重金属の微細フロックを共沈剤に包含させて処理する考え方。ただし、この機構だけでは共沈処理で重金属を理論溶解度以下まで処理できる現象を説明することはできません。

  • 吸着
    水酸化鉄(Ⅲ)、水酸化アルミニウムは弱酸性側ではプラスの荷電を帯びているが、pH7前後で逆転し、マイナス電荷になるといわれています。マイナス荷電の水酸化物とプラス家電の重金属イオンが荷電中和反応する考え方。

  • 難溶性塩の生成
    ひ素やセレンは通常鉄(Ⅱ)塩で、ふっ素はアルミニウム塩で高度処理されます。これらは処理対象に対し、鉄塩やアルミニウム塩を多めに添加する為、共沈処理といわれています。
    ただし、反応機構では吸蔵や吸着と異なり、イオン反応による難溶性塩の生成になります。

  • 複合多核錯体の生成
    重金属水酸化物は金属原子を核として-M-OH-M-や-M-O-M-のような架橋した重合体として表されます。
    通常は同一原子間で架橋しますが、異種金属が


    のような架橋を形成する場合があり、複合多核錯体と呼ばれます。
    この化学的性質が異種金属の中間的性質あるいは偏った化学的性質を示すようになることを利用し、共沈処理します。

処理できる物質

処理できる物質として、公害防止管理者の試験範囲で取り上げられている物質を以下に挙げています。
試験でもよく問われるので覚えておきたいですね。

  • カドミウム・鉛
  • ひ素
  • セレン
  • ふっ素

参考

  1. 新・公害防止の技術と法規 水質有害物質特論

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