こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- 安水とは
- 安水の処理方法
について試験に出題されやすいところを中心にサクッと整理します!
安水とは
安水とはコークス炉ガス精製排水のことで
コークス炉ガスを水噴霧し冷却する際に含まれる
石炭由来の有機化合物や無機化合物がトラップされ、凝縮水として排出される液
を意味します。以下でいう排水①に該当します。
鉄鋼の生産プロセス概略図にあるように、コークス炉で石炭を乾留(蒸し焼きにし、石炭に含まれる揮発ガスを放出して炭素部分だけを残す操作)して得られるコークスを製造しています。このコークスと鉄鉱石が高炉で加熱され、鉄鉱石を炭素で還元することで鉄分を取り出すわけですね。
このコークス炉で発生したガスを水で捕集して出てくるのが安水になります。
参考までに、製鉄工程をわかりやすく説明している動画がありましたので、紹介しておきます。
安水の排水処理
排水成分
石炭由来の排水であるため、安水には主に以下の成分が含まれています。
- アンモニア
- フェノール
- シアン
- 油分、タール等
安水の「安」はアンモニアからきているようですね。
処理方法
前処理工程と活性汚泥工程に大別されます。
前処理工程
- 安水蒸留
安水蒸留(液中に蒸気や空気を吹き込んで液中のアンモニアを気体に変えて除去する)にて活性汚泥の呼吸を阻害する遊離アンモニア、シアンを除去。 - コークスフィルター
高分子の油分は活性汚泥に付着することがあるため、コークフィルター(コークスの多孔質である特性を活用したものでコークス粒を充填したフィルター)で除去する。
活性汚泥工程
- 曝気槽
フェノールを主成分とするBOD物質、残留した固定アンモニア、シアン、チオシアンなどを分解除去する。アンモニアは硝化菌で亜硝酸及び硝酸まで酸化される。 - 沈殿槽
曝気槽から流入する汚泥を沈降分離する。 - 凝集沈殿槽
汚濁物質や残留する難分解性のCOD、りんなどを凝集し沈降分離する。
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