こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- BOD、CODとは
- BOD、CODの環境基準達成状況
について試験で問われやすい部分を中心いサクッと整理します!
BOD、CODとは
概念
BOD、CODとはいずれも有機汚濁の代表的な指標になります。
- BOD
Biochemical oxygen demand=生物化学的酸素消費量。水中の好気性の微生物によって消費される溶存酸素量(水中に溶解した酸素)のこと。好気性微生物は酸化作用により有機物を二酸化炭素、水、その他の物質に変化させる。
→BODが高いほど、酸素が多く消費されたことになり、有機汚濁の程度も高いことになる。
- COD
Chemical Oxygen Demand=化学的酸素要求量。CODは試料に酸化剤を加えて、有機物と酸化剤を反応させ、その時消費された酸化剤の量を酸素の量に換算して表す。
→CODが高いほど、酸化剤が多く消費されたことになり、有機汚濁の程度も高いことになる。
測定方法の概略
BOD
- 試料を希釈水又は植種希釈水で適当な倍数に薄める
- この時段階的に希釈倍数の異なる数種類の希釈試料を調整する
- それぞれその一部を用いて溶存酸素を定量し、残りは培養瓶に空気が入らないように入れて密栓する
- これを20℃、5日間培養した後、溶存酸素を定量する
- 溶媒前後で溶存酸素の消費量が40~70%になる希釈倍数における試料の結果からBODを算出する
この消費量の範囲で、好気性微生物が正常に増殖、活動しているといわれている。- 希釈水
好気性の微生物が活動できるように環境を整える役割のある溶液。 - 植種希釈水
試料中に適量の好気性の微生物と溶存酸素を加えて、生物化学的反応を促進する溶液。下水の上澄み、河川水などを希釈して作成する。
- 希釈水
COD
CODには酸化剤に過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウムが用いられるが、水質汚濁防止法で定める検定方法では過マンガン酸カリウムが用いられる。
- 試料に所定の量の硫酸、硝酸銀、過マンガン酸カリウムを加え、100℃、30分間加熱する
- シュウ酸ナトリウム溶液を加えて、残留する過マンガン酸イオン、二酸化マンガンと反応させる
- 過剰のしゅう酸ナトリウムを過マンガン酸カリウムで滴定する
- 滴定値からCODを算出する
BOD、CODの環境基準達成状況
BOD、CODは水質環境基準のうち生活環境項目にて規定されており、河川はBOD、湖沼・海域ではCODが採用されています。
基準値は生物の分類に応じて異なりますが、1~10mg/L以下とされています。
(詳細は環境省HP 水質汚濁に係る環境基準参照)
環境基準の達成状況を環境省HP 公共用水域 | 水質測定結果より抜粋しました。
以下特徴は試験で問われやすい部分ですので覚えておきたいですね!
- 湖沼のCOD環境基準達成率が約60%と低い
- 東京湾・伊勢湾・大阪湾・瀬戸内海等は達成率が50-70%と低い
参考
- 新・公害防止の技術と法規 水質概論、汚水処理特論
- 環境省HP
水質汚濁に係る環境基準
公共用水域 | 水質測定結果
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