こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- TOCとは
- TOCの測定方法
について試験で問われやすい部分を中心いサクッと整理します!
TOCとは
TOCとは
水中の酸化されうる有機物の全量を炭素の量で示したもの
になります。TOCはTotal Organic Carbonを意味し日本語では全有機炭素と言います。
BODやCODでは、試験法の性格上汚濁物質を100%分解でないため、中には測定できていない有機物もあります。
そこで、TOCでは有機物中の炭素を直接燃焼し、定量することで、有機指標として用います。
水道水の水質管理の指標としてTOCは用いられています。
TOCの測定方法
TOCの測定はTOC計で行います。前処理や複数の手順が必要なBODやCODに比べて短時間で測定値が得られます。
TOC系には2チャンネル方式と1チャンネル方式があります。
2チャンネル方式
- 試料中の全炭素(TC)を測定する
燃焼管中に酸化コバルト、白金などの触媒を充填し、600~1000℃に保つ。
一定酸素濃度のキャリヤーガスを流した燃焼管に一定量の試料をマイクロシリンジで注入すると
有機体炭素→燃焼しCO2発生
無機体炭素(炭酸塩、炭酸水素塩)→分解してCO2発生
CO2を非分散形赤外線ガス分析計にて有機体炭素+無機体炭素由来の炭素=全炭素(TC)として測定する。 - 試料中の全無機体炭素(TIC)を測定する。
一定量の試料を無機体炭素検出部に注入する。
りん酸に浸した石英チップを充填した約150℃に保った反応器内では、
試料中の無機体炭素(炭酸塩、炭酸水素塩)は分解→CO2発生
CO2を非分散形赤外線ガス分析計にて無機炭素由来の炭素=TICとして測定する。 - TOC(全有機炭素)=TC(全炭素)-TIC(全無機炭素)としてTOCを求める
1チャンネル方式
- 試料を塩酸又はりん酸を加えて微酸性(pH2以下)とし、これにパージガス(空気又は窒素)を通気して、無機体炭素を除去する。
- 無機体炭素を除去した試料の一定量を燃焼管に注入し、有機物の燃焼で発生したCO2を非分散形赤外線ガス分析計でTOC(全有機炭素)として測定する・
注意事項
- 揮発性有機化合物は、無機体炭素除去過程で同時に損失するのでTOCとして測定されない。
- 炭酸塩、炭酸水素塩はTOCに含まれない。
参考
- 新・公害防止の技術と法規 水質概論、汚水処理特論
- JEMIMA TOC 計測器
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