環境基本法

公害総論

こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。

この記事では

  • 環境基本法とは
  • 環境基本法の構成
  • 他の環境法との関係

について整理します!

環境基本法とは?

環境基本法とは、

環境保全する上で基本的な方向性を示す法で、日本の環境に関する法律の最上位に位置づけられる法律

になります。

また、本文中で以下のように目的が記されています。

この法律は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

環境問題対策や、公害防止を図る上ではこの法に則って施策を決めていくことになるわけですね。
あくまで基本的な方針を決めるにとどまり、詳細の規定は個別の法で詳しく記すことになります。

なお、全文は以下で確認できます!

環境基本法 | e-Gov法令検索
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府省令・規則)の内容を検索して提供します。

環境基本法の構成

環境基本法は大きく3つの章に分けられます。さらに小分けにすると以下のようになり、全46条から構成される法律です。
試験で出題されやすい箇所太字で書いています。

条項 構成 内容
1~13 第一章 総則 環境基本法の目的、用語の定義、国・事業者・国民が果たすべき責務
  第二章 環境の保全に関する基本的施策  
14 第一節 施策の策定等に係る指針 環境保全の施策策定における基本的な指針
15 第二節 環境基本計画 環境基本計画の策定
16 第三節 環境基準 環境基準の運用
17~18 第四節 特定地域における公害の防止 公害防止計画の作成、推進
19~31 第五節 国が講ずる環境の保全のための施策等 環境保全のため講じるべき措置、環境影響評価の推進等
32~35 第六節 地球環境保全等に関する国際協力等 地球環境保全に関して国際的な連携をすること等
36 第七節 地方公共団体の施策 地方公共団体ごとの自然的社会的条件に応じて施策を推進すること等
37~40 第八節 費用負担等 環境保全のための事業における費用負担について等
  第三章 環境の保全に関する審議会その他の合議制の機関等  
41~44 第一節 環境の保全に関する審議会その他の合議制の機関 中央環境審議会の役割等
45~46 第二節 公害対策会議 公害対策会議の役割等

 

他の環境法との関係

環境に関する法(環境法)は多岐にわたり、各分野方面の法は環境基本法に則り定められています

例えば、試験でもよく問われる、大気汚染防止法水質汚濁防止法との関係性はどうなっているのでしょうか。

これらの法律は環境基本法の構成の中の「第二章 第五節 国が講ずる環境の保全のための施策等」を受けて制定された法律と考えられます。

ここで環境基本法 第二章 第五節 国が講ずる環境の保全のための施策等の第21条の第一号を抜粋します。

第二十一条 国は、環境の保全上の支障を防止するため、次に掲げる規制の措置を講じなければならない。
 
一 大気の汚染水質の汚濁、土壌の汚染又は悪臭の原因となる物質の排出、騒音又は振動の発生、地盤の沈下の原因となる地下水の採取その他の行為に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行う公害を防止するために必要な規制の措置

このように、大気の汚染、水質の汚濁について公害を防止するために必要な措置をとることと定められています。
これを受け、具体的に措置の内容を定めたものが大気汚染防止法水質汚濁防止法になります。

参考

  1. 新・公害防止の技術と法規 公害総論
  2. e-Gov 法令検索 環境基本法

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