水質汚濁防止法

水質概論

こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。

この記事では

  • 水質汚濁防止法とは
  • 水質汚濁防止法の構成
  • 規制の体系

について整理します!

水質汚濁防止法とは

水質汚濁防止法とは

環境基本法を上位法とする、水質の汚濁を防止するための基本的な規制法

で、ここでいう「水質」とは以下の水を指します。

  • 公共用水域(河川、湖沼、海域等)
  • 地下水

本文では以下が目的として記されています。

工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を推進することなどによって、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化するころを含む。以下同じ。)の防止を図り、持って国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに向上及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して、人の健康にかかる被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより被害者の保護を図ることを目的とする。

これより、水質汚濁防止法

①工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出の規制
地下に浸透する水の浸透の規制
③生活排水対策(生活排水による水質の汚濁を防止を図る)の推進
④事業者の損害賠償の責任

について定めている法律であるといえますね。

全文はこちらから確認できます!

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水質汚濁防止法の構成

水質汚濁防止法はは大きく7つの章に分けられます。さらに小分けにすると以下のようになり、全35条から構成される法律です。
試験で出題されやすい箇所太字で書いています。

条項 構成 内容
1~2 第一章 総則 水質汚濁防止法の目的、用語の定義
3~14の4 第二章 排出水の排出の規制等 排水基準総量削減基本方針特定施設について等
14の5~14の11 第二章の二 生活排水対策の推進  生活排水による水質の汚濁防止を図る対策について等
15~18 第三章 水質の汚濁の状況の監視等  公共用水域及び地下水の水質の汚濁の常時監視について等
19~20の5 第四章 損害賠償  工場又は事業場における事業活動に伴う水質汚濁で、人に損害が生じた場合の損害賠償について等
21~29 第五章 雑則  報告及び検査について等
30~35 第六章 罰則  違反者に対する罰則について等

 

規制の体系

水質汚濁防止法では、「第二章 排出水などの排出の規制等」にて排水の基準について記されています。
この規制の体系を整理すると以下にようになります。

排水規制は公共用水域に排出される水を規制し、水質汚濁防止法の目的①に該当します。
地下水の水質保全については目的②に該当しますね。

規制区分 規制の種類 対象 規制項目
排水規制 濃度規制 公共用水域に水を排出するすべての工場、事業場 有害物質 カドミウム等定められた物質
排出水量が規定以上量の工場・事業場 生活環境項目 pH等定められた項目
総量規制 指定地域内の排出水量が規定以上量の工場・事業場 指定項目 COD、窒素含有量、りん含有量
地下水の
水質保全
浸透規制 有害物質使用特定施設※1が設置され、かつ、有害物質を含む水が地下へ浸透する工場、事業場 有害物質 カドミウム等定められた物質
構造規制

有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設※2を設置する工場、事業場が設置され、かつ、有害物質を含む水が地下へ浸透する工場、事業場(上記の有害物質を含む水が地下へ浸透する工場、事業場を除く)

有害物質
(施設の構造、点検、使用方法の基準を定めることで規制)
カドミウム等定められた物質

※1 有害物質使用特定施設
特定施設(有害物質を含む、若しくは、COD等の汚染状態が生活環境に被害を及ぼす可能性のある水を排出する施設)の内、有害物質を製造、使用、処理を目的とする施設

※2 有害物質貯蔵指定施設
指定施設(有害物質を貯蔵・使用、または、有害物質等以外で人の健康・生活環境に被害を生ずるおそれのある物質(指定物質)を製造・貯蔵・使用等する施設)の内、有害物質を貯蔵する施設

参考

  1. 新・公害防止の技術と法規 水質概論
  2. e-Gov 法令検索 環境基本法

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