こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- クロメート排水とは
- クロメート排水の処理方法
について試験に出題されやすいところを中心にサクッと整理します!
クロメート排水とは
鉄鋼の生産プロセスでは耐食性などの機能性を付与することを目的に、表面処理します。
表面処理は大きく、亜鉛めっきとクロメート処理に大別できます。
亜鉛めっき
方法としては電気めっき法と溶融めっき法があります。
- 電気めっき法
めっき液に鋼板を浸し、電気によって鋼板表面に金属を析出させてめっきする方法 - 溶融めっき法
溶融金属中に鋼板を浸漬して表面に溶融金属の皮膜を形成させる方法。
クロメート処理
亜鉛めっき後の白錆(亜鉛由来の錆)を防止するために亜鉛表面にクロムの化成皮膜を生成させる処理になります。
クロム酸及びある種のアニオンを含む溶液中に浸漬させて処理します。
クロム酸溶液に浸漬した後に水洗されて連続的に排出される排水をクロメート排水と言います。
鉄鋼の生産プロセスでいうと排水④の一部にあたります。
表面処理めっきについてわかりやすく説明している動画を紹介しておきます。
2つ目の動画はクロメート処理をしている工程の動画になります。いくつかの槽に浸して、バレル内の金属部品がクロメート処理されているのがわかりますね。
クロメート排水の処理方法
クロメート排水の処理は主に6価クロムの還元・凝集沈殿・ろ過の3ステップです。
- 6価クロムの還元
クロメート処理に用いられるクロムは6価若しくは3価のクロムです。
(従来は6価クロムが主流であったが、有毒物質であるため、3価クロムにシフトしてきている)
6価クロムが排水に含まれる場合は、アルカリ性でも溶解度が大きく、析出沈殿が困難であるため、3価クロムに還元する必要があります。
還元剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸鉄(Ⅱ)が使用されます。
- 沈殿除去
6価→3価に還元した後、排水は酸性となっているため、水酸化ナトリウムや消石灰などのアルカリ剤を加えて、pHを上げます。
pHを8~9程度にすると水酸化クロムとして析出し、沈殿除去できるようになります(水酸化物法)。
この工程で、表面処理工程上で発生する、亜鉛や鉄を含むその他の排水も合流し、これらの金属は同じように水酸化物として凝集沈殿させます。
- ろ過
酸を加えて中性としたのち、凝集沈殿した水酸化物をろ過で取り除きます。
参考
- 新・公害防止の技術と法規 大規模水質特論
- JFE スチール株式会社
溶融亜鉛めっき鋼板
電気亜鉛めっき鋼板 - 公益財団法人 JFE21世紀財団 電気めっき
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