イオンクロマトグラフ法、サプレッサ

水質有害物質特論

こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。

この記事では

  • イオンクロマトグラフ法とは
  • どんな時に使うか

についてサクッと整理します!

イオンクロマトグラフ法とは

イオンクロマトグラフ法とは

溶離液をポンプなどで送液し、その中に少量の試料を注入し、
試料中のイオン種をカラムで成分分離することで、それぞれの成分を定性・定量分析する装置

になります。
定性・定量分析するという意味ではガスクロマトグラフ(GC)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と同じです。
液体試料を注入するため、分離カラムとしてイオン交換体を用いるHPLCの一種と考えられます。

イオンクロマトグラフ法の装置構成概略図(サプレッサー方式膜透析形)

サプレッサー方式(膜透析形))の装置の概略図です。測定の要となるのは

カラム → サプレッサ → 検出器

の部分になります。

カラム

カラムにはプレカラム分離カラムがあります。

  • プレカラム
    定量するイオン種成分の濃縮、予備分離、異物除去等の目的で分離カラムの前段に設ける。必要に応じて用いる。
    充填剤はイオン交換体や非極性シリカゲルなど。
  • 分離カラム
    内径1~8mm、長さ10~500mmの不活性な合成樹脂製、ステンレス鋼等の金属製、若しくはガラス製の管に充填剤を詰めたもの。
    充填剤はイオン交換体や非極性シリカゲルなど。

サプレッサ

検出器に電気伝導度検出器を用いる場合、溶離液中の強電解質によってノイズが多くなり、測定感度が低下します。イオン種成分の検出を損なうことなくこの強電解質を除去するためにサプレッサが用いられます。
サプレッサには、膜透析形カラム除去形サスペンション樹脂吸着形があります。
なお、電気伝導度の低い溶離液を用いるノンサプレッサー方式も普及してきています。

  • 膜透析形
    イオン交換膜によって隔てられた二つの流路の一方に溶出液(カラム出口の液)を、他方に再生液を流し、溶離液中のイオンを再生液側に透析して除去する(上図参照)。
  • カラム除去形
    イオン交換カラムに溶出液を通過させ、溶離液中のイオンをイオン交換除去する。
  • サスペンション樹脂吸着形
    イオン交換樹脂の微細粒子を溶出液に混合して懸濁させ、溶離液中のイオンを吸着除去する。

検出器

電気伝導度検出器、電気化学検出器、分光光度検出器、蛍光光度検出器などがある。
一般的には電気伝導度検出器が用いられる。

どんな時に使うか

主に、無機の陰イオンと陽イオンの測定、一部の有機酸やアミンの測定ができます。

具体例として、公害防止管理者の試験範囲で取り上げられている物質を以下に挙げています。
試験でもよく問われるので覚えておきたいですね。

  • ふっ素及びその化合物
  • アンモニア、アンモニア化合物
  • 亜硝酸化合物
  • 硝酸化合物

参考

  1. 新・公害防止の技術と法規 水質有害物質特論
  2. JAIMA イオンクロマトグラフの原理と応用
  3. Thermo Fisher 初心者必見!イオンクロマトグラフィーの基礎知識

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