「化学工学」ってなに?仕事で使う?

息抜き

こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。

私は大学で化学工学を専攻していました。でも、なんかイメージしづらい

そこで、大学で化学工学を学ぼうか迷っている人の参考になればと思い、化学工学はどんな学問なのか、

  • 一言で説明すると
  • 大学で学ぶこと
  • 会社で使うのか

私なりに説明したいと思います!

一言でいうと

ある製品をどうやって大量生産するか」を考える学問です。

キーワードは”大量生産“。

例えば、研究者がいい製品を作っても、フラスコの中でしか作れない場合、世界中の人に使ってもらうには量が少なすぎます。そこで、このいい製品をどうすれば大量に、安定的に作れるかを考えるのに必要なのが、化学工学です。

元来は化学製品に対して使われる学問なので、名前に“化学”とありますが、大量生産という考え方は化学だけでなく、自動車・食品・製薬など多岐にわたる分野で必要とされています!いろんな業界から求められるので、就職もよく、私の大学友人もいわゆる大企業で働いています。

何を学ぶのか

大学で専攻した場合、どういった授業を受けることになるのか、代表的なものを3つ紹介します。

①移動速度論

何やら聞きなれない科目ですね。移動現象論とも呼んだりします。 化学工学といえばこの科目です。どんな内容かというと、「物質や熱の移動を数式で表す」ということを学びます。

数式で表せると何がいいか?
物質や熱の流れを予測することができます。大量生産する場合にどれだけの物質や熱が移動するかを予測することで、生産に必要な設備を決めていくわけですね!

有名な教科書としてはTransport Phenomenaでしょうか。900ページぐらいある上に、全部英語。大学入学後、教科書を買った時には衝撃でした。

②各単位操作について(蒸留、反応、乾燥、ろ過、吸収etc)

単位操作とは、生産に必要になる各操作のことです。

例えば、
ガソリンを作る場合は、蒸留で原油をガソリンとそれ以外に分離します。
ビールを作る場合は、麦芽の酵素による反応ででんぷんが糖になり、最終的にはろ過で不純物を取り除きます。

このように製造工程はいくつかの操作が組み合わさってできています

それぞれの操作について、これまた数式で表そうと試みる科目として、 分離工学反応工学があります。これらの科目も突き詰めていけば物質や熱の移動なので①の移動現象論がもとになっているとも言えます。

③学生実験

実験もあります。私の場合、②で学んだ単位操作について、実際にやってみる実験がありました。

例えば、
エタノール水溶液を蒸留してみて、教科書の数式通りに分離できるか。
ろ過してみて数式通りの速さでろ過できているか。

等を実験で確かめました。5人程度のグループで作業しますが、時間内に終わらないこともしばしば。居残りなど、辛いこともありましたが、実際に手を動かすという意味で他の授業よりは印象に残っています。

会社で使うのか

大学でせっかく学んだ知識、実際に企業で使うのか。

使います

私は化学メーカーで働いていることもあり、大学で聞いた用語が部署で飛び交います

扱う製品や会社にも左右されると思いますが、想像していたよりも使うなあという印象です。部署の人は基本的な用語は知っている前提で話が進みます。
逆に、大学の時に理解が不十分だったことも、会社に入って「こういうことだったのか」と腑に落ちることもあります。

将来、化学メーカーで働きたいと思っている人はしっかり学べば、仕事で1年目から活躍できるかもしれません。

最後に

化学工学のイメージ、少しでもつかめたでしょうか。 大学で化学工学を学ぼうか迷っている人の参考になれば 幸いです。

コメント