生産技術の仕事は楽しい?

息抜き

こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。

化学メーカーの生産技術として数年働いています。生産技術は研究、営業、人事などの職種と比べればマイナーで実態がわかりにくい職種だと思います。生産技術として働いてみたい、興味があるという人の参考になればと思い、生産技術について

・どんな仕事か
・楽しいところ
・辛いところ

を私なりに書きたいと思います。

生産技術はどんな仕事か

生産技術の役割は大きく3つ

①生産に必要な設備を考える

研究が開発した新しい製品をどうやって大量生産するかを考えます。主に研究とやり取りし、どんな設備が必要かを決定します。

よくあるケースでは、ラボ→工場に生産の規模をスケールアップする前段階として、ベンチスケール やパイロットスケールといった、徐々に生産量を上げた設備を導入し、最終的に工場プラントでの生産にもっていくことがあります。

生産規模順でいうと 「ラボ < ベンチ < パイロット < 工場プラント」になります。

こういったスケールアップするのに、必要な装置(ポンプ、反応器、蒸留塔etc)のスペックを化学工学の知識で計算し、決定します。

②生産・品質を安定させる

すでに出来上がったプラントで生産していると、設備がトラブルで止まったり品質が悪くなってきたりすることがあります。こういった時に、原因を考え、対策を立案し、生産・品質を安定させるのも生産技術の仕事です。業務割合ではこれが最も多いと思います。

③生産方法のブラッシュアップ

すでにあるプラントをより効率的に生産するにはどうしたらいいかを検討します。具体的には如何に安く生産できるかを検討することが多いです。

ここの熱が無駄になっているから、この熱を回収すれば、コストダウンできるよね?
ここで中間製品がロスして捨ててしまっているからこれをなくせばコストダウンできるよね?

などなるべく節約できないかを考えます。

楽しいところ

そんな生産技術の楽しいところは何でしょうか。私なりに考えた3つを紹介します。

1. 設備設計がパズル感覚

ピタゴラスイッチってご存知ですか?ボールを転がすと色々なカラクリが動いて最終的には「ピタゴラスイッチ」と書かれた旗が上がります。

ピタゴラスイッチ 2020 #1

プラントの設計はこれに似ています。色々な装置を組み合わせて如何に効率的に製品を作れるようにするかを考えるパズルのような一面があります。

特に、実際に自分の設計した設備が想定どおりに動くと感動します笑

2. 会社の収益に与えるインパクトが大きい

生産技術の仕事③にあるように、コストダウンを検討する場合、設備が大きければ、年間数百万円のコストダウンも可能です。自分の給料以上の成果を出すこともできるわけです。

それだけ会社に貢献していることを実感しやすい職種かなと思います。

3. 大学で学んだことが活かせる

これは私が化学工学を学んでいたからだと思いますが、大学で学んだ知識は当たり前のように使います

大学で学んだことがこうやって活かされるのか!

と感動を覚えることもしばしば。化学工学を学んだ人には生産技術として働いてみてはどうでしょうか。

辛いところ

次に、辛いなと感じるところを3つ紹介します!

1. 設備が形になるまで時間がかかる

設備を考え出してから、形になって動き出すまで、少なくても1~2年程かかります。

工事を計画 → 装置を発注 → 実際に工事

と、仕事が長期にわたります。

研究だと実験して結果がすぐ出るかと思いますが、生産技術だとそういかないこともしばしばあります。

2. ミスしたときの損失が大きい

設備を導入するとなると億単位のお金が動くことも。

もし、うまく行かなければ損失が大きいのです。。
良くも悪くも生産技術が会社に与えるインパクトは大きいです。

3. 人を説得することが多い

大きなプロジェクトととなると、チームで仕事を進めます。となると、自然と人と議論、説得し、物事を決めていきます。

もちろん意見がぶつかったり、うまく説得できないこともあり、仕事そのものの難しさというよりもチームで仕事をする難しさをしひしひと感じています。

最後に

生産技術の仕事、少しでもイメージがつけば幸いです。辛いこともありますが、やりがいもある仕事です。生産技術もキャリアの選択の1つに入れてみては如何でしょうか。

コメント