こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- 光化学オキシダントとは
- 光化学オキシダント環境基準達成状況
について試験で問われやすい部分をサクッと整理します!
光化学オキシダントとは
概要
光化学オキシダントは
工場の煙や自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)等が
太陽からの紫外線で反応を起こし、生成する酸化力の強い物質の総称
になります。「オキシダント」は酸化剤の意味です。
具体的には
- オゾン
- ペルオキシアセチルナイトレート(PAN)
- アルデヒド
などが該当し、オゾンが90%以上を占めています。
光化学オキシダントの濃度が濃くなると光化学スモッグと呼ばれる、「もや」がかかった状態になり、目や喉の痛み・涙が出る・咳が出るなどの症状が出ることがあります。
光化学スモッグの映像がYouTubeにありましたので、共有しておきます。古い映像ですが、もやがかかって見通しが悪いのがわかりますね。
生成メカニズム
ここでは光化学オキシダントの90%以上を占める、オゾンの生成メカニズムを簡単に説明します。
反応に寄与するのは酸素O2、二酸化窒素NO2、VOC(=Volatile Organic Compounds 揮発性有機化合物)の3種類です。
- 二酸化窒素NO2が太陽光により、NOとOに分解する
- OはO2と反応しオゾンO3が生成する
- オゾンO3はNOと反応し、NO2とO2が生成する
- VOC由来で生成したアルキルペルオキシラジカルが生成する
- アルキルペルオキシラジカルもNOと反応し、NO2を生成する
VOCが存在しなければ、1~3の反応のみ起こるため、平衡状態になりO3は一定濃度となります。
しかし、VOCの存在により、3と5の反応が競合し、O3をO2に戻す反応が少なくなるため、平衡状態がずれ、O3が増加することになります。
光化学オキシダント環境基準達成状況
光化学オキシダントには「1時間値の年間最高値が0.06ppm以下」という環境基準が設定されていますが、ほぼ未達です。
達成率は0~0.3%程度であり(最新情報は環境省HP参照)、長期的にも光化学オキシダント濃度は横ばいです。
- 一般局
一般環境大気測定局。都道府県知事等が、大気汚染防止法に基づき住宅地等の一般的な生活空間における大気の汚染の状況を常時把握するため設置したもの。 - 自排局
自動車排出ガス測定局。都道府県知事等が、大気汚染防止法に基づき道路周辺に配置したもの。
参考
- 新・公害防止の技術と法規 公害総論
- 独立行政法人 環境再生保全機構
光化学オキシダント
一般環境大気測定局
自動車排出ガス測定局(自排局) - 環境省
SPMとオキシダントの生成メカニズム
大気汚染状況
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