こんにちは、ヘルメット犬(@helmet_dog)です。
この記事では
- 製油所の排水
- 排水ストリッパー
について試験に出題されやすいところを中心にサクッと整理します!
製油所の排水
排水ストリッパーは製油所(石油を精製する)から排出される排水を処理するプロセスの一つです。
まず、製油所から排出される排水の種類について整理しましょう。
- プロセス排水
石油精製プロセスの各工程で排出される排水。性質上、油分が混入する。また、水素化処理装置(油中の不純物を除去し、品質を向上させる)及び接触分解装置(高沸点留分を触媒を用いて分解し、ガソリン等を作る)などの排水は油分、硫化水素、アンモニア、フェノール、メチルカプタンなどが含まれる。
→これらを除去する為、排水ストリッパーが用いられる。 - ポンプ冷却水
製油装置や調合装置で使用するポンプ、コンプレッサーなどの機械の冷却に用いた冷却水。油分を含む。 - タンク排水
原油中に混入している水・海水はタンク静置中に分離沈降する。タンクにたまった底部水の排水で、油分が含まれる。 - バラスト水
タンカーのバランスをとるためにタンカーのハッチに一時的に入れる水をバラスト水という。
専用のハッチがない場合、油分が含まれる。
- ボイラー吸水処理逆洗水
ボイラーの給水処理ではイオン交換樹脂を使用する。イオン交換樹脂の再生に水酸化ナトリウムや塩酸を使用する為、再生後の洗浄水にはこれらの薬品やSS(懸濁物質)が含まれる。 - 冷却水
冷却器を隔ててプロセス内の物質を冷却する水であるため、基本的にプロセス内に混入しない。 - 雨水
プロセス装置付近を経由する雨水は油分が含まれるので、オイルセパレーターで処理する。
これ以外の雨水はほとんど汚染物質を含まないので、ガードベースンを経由して放流される。
ガードベースン・・・製油所等の排水路の末端部において、種々の排水処理装置を経て浄化された排水が場外に放出される手前で浄化状態を監視し、万が一の事故や故障などのため大量の油が流入したとき、早期に場外流出を防止できる緩衝池としての機能を備えた人工貯留池。
排水ストリッパーとは
製油所における排水ストリッパーとは
排水から硫化水素、アンモニアを加熱分離し除去する装置
になります。
排水は排水ストリッパー内を上から下に下降し、再沸器で加熱された排水の蒸気は下から上に上昇します。
液とガス接触により、ガスが上昇するにつれてガス中の硫化水素、アンモニア濃度が高くなります。
塔頂から出たガスは、硫黄回収装置に導入され、硫化水素とアンモニアは以下のように処理されます。
硫化水素→硫黄として回収
アンモニア→窒素に熱分解
試験でもよく問われるので覚えておきましょう!
参考
- 新・公害防止の技術と法規 大規模水質特論
- 月島環境エンジニアリング株式会社 BMBストリッパー
- 株式会社守谷商会 サワーウォーターストリッパー
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